ひらかれる鉄の道
 当博物館の所在する安来は、江戸時代後期〜明治中期にかけて中国山地の「たたら」で生産された鉄の積み出し港として栄えました。往時の安来港には、鉄問屋の蔵が軒を連ね、中国山地の各所から集積された鉄や鋼は北前船などによって、北は北海道から西は関門海峡・瀬戸内海を経て堺(大阪)、土佐など全国の金物産地へ搬送されました。同時に、種々の文化交流が行われ、安来節なども生まれてきました。 しかし、明治時代に入り洋鉄が大量に輸入され、近代製鉄技術が導入されるにつれて、「たたら製鉄」は衰退していきます。その歯止めとして、明治32(1899)年に近隣のたたら業者達により雲伯鉄鋼合資会社が設立され、その後「たたら」の技術・伝統を受け継ぎながら幾度かの変遷をへて今日の日立金属(株)安来工場に発展し、安来は同工場を中核としてハガネ生産の町へと変貌していきます。                    展示では、安来の町が鉄の流通拠点から鉄鋼生産地への変化の様子や、さらに日常生活の中の鉄の果たす役割を追跡し紹介します。
 

第3展示室の展示品のいくつかを紹介します。

鉄問屋(「永井家絵図」部分) 鉄問屋(「永井家絵図」にもとずく模型)
天秤秤(両替商などで使用された) 天秤秤の分銅(江戸時代)
鉄運搬の荷姿 焼き印(鉄の生産者・等級別)
包丁鉄(雲伯鉄鋼合資会社製) 雲伯鉄鋼合資会社取引帳簿
海綿鉄(ヤスキハガネの原料鉄) 電気炉
(新和鋼「精浄鉄ショット」製造用)
角炉(模型) ヤスキハガネの製品例

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